仮想通貨と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、ビットコイン（BTC）とイーサリアム（ETH）の2つではないでしょうか。どちらも人気の仮想通貨ですが、両者には多くの違いがあり、その一つに「半減期」があります。この記事では、イーサリアムに半減期があるのかどうか、そしてビットコインとの違いについて詳しく解説していきます。
目次
イーサリアムに半減期はある？
まず結論を先に伝えてしまうと、イーサリアム（ETH）にはビットコインのような「半減期」は存在しません。ビットコインが半減期という仕組みを持つ理由は、その供給量を制限し、コインの希少性を高めるためです。一方、イーサリアムの供給モデルは異なり、固定的な報酬が一定の頻度で発行される設計になっています。
イーサリアムのアップデート
ビットコインの半減期のように、イーサリアムの価格や供給量に影響する要因に、EIP-1559というアップデートがあります。このアップデートでは、取引手数料の一部がバーン（焼却）される仕組みが導入され、実質的にイーサリアムの供給量が減少する効果があります。半減期とは異なりますが、イーサリアムは独自に供給抑制の機能を備えています。
また、イーサリアムを利用する際には、Ethereumウォレットの利用が基本となります。代表的なEthereumウォレットにはMetaMaskやLedger、Trust Walletなどがあり、ETHの送受信だけでなく、ERC-20トークンの管理やDeFi・NFTなどのdAppsとの連携にも対応しています。これらのウォレットを通じて、イーサリアムの持つ技術的な進化や経済圏の広がりを、ユーザーは日常的に体験することができます。
仮想通貨の半減期とは？
仮想通貨の半減期が行われる理由や影響について簡単に説明をします。半減期は、主にビットコインのような仮想通貨において、マイニング報酬が半分に減少する仕組みを指します。
ビットコインの半減期
ビットコインは、2100万枚という供給上限を持つ通貨です。この供給量を調整するため、約4年ごとに半減期が発生します。例えば、最初は1ブロックあたり50BTCがマイナーに報酬として支払われていましたが、現在では3.125BTCに減少しています。この半減期という仕組みによって、最終的には新しいビットコインの発行が止まり、既存の通貨の希少性が増します。
半減期の価格への影響
半減期は、ビットコインの市場価格に大きな影響を与えます。供給量が減少することでコインの希少性が高まるため、投資家から注目が集まります。取引が増えるため、その瞬間に価格が上昇する傾向が見られます。実際、過去の半減期後には大きな価格上昇が何度も起こっています。
イーサリアムの特徴
仮想通貨のイーサリアムがビットコインと異なる点は、単なる通貨としての役割だけでなく、ブロックチェーン上で多様な機能を持つことです。
スマートコントラクトとDApps
イーサリアムは、スマートコントラクトを実行できるプラットフォームとして開発されました。この技術により、分散型アプリケーション（DApps）が構築可能です。例えば、NFT（非代替性トークン）やDeFi（分散型金融）は、イーサリアムのブロックチェーン技術を基盤にして成り立っています。
EIP-1559と供給モデル
前述した通り、イーサリアムにはEIP-1559アップデートが導入されており、これが供給量の抑制に大きく寄与しています。このアップデート以降、取引が増加するほど手数料がバーンされる仕組みとなり、供給量が減る「デフレ効果」が期待されています。
イーサリアム2.0への移行
イーサリアムは2022年に「Proof of Work（PoW）」から「Proof of Stake（PoS）」という仕組みに移行しました。これにより、マイニングによる新規発行が減少し、エネルギー効率が向上しました。ビットコインのマイニングが環境負荷の観点で批判されることがありますが、イーサリアムは持続可能性を重視した技術を取り入れています。
イーサリアムとビットコインとの違い
ビットコインとイーサリアムには、投資や利用目的において大きな違いがあります。ビットコインは供給上限が2100万枚に固定されており、主に「価値の保存」や「決済手段」として使われています。一方、イーサリアムには供給上限がなく、スマートコントラクトやDApps、NFTの基盤として、技術プラットフォームの役割を果たしています。
また、ビットコインは半減期による供給制限が価格に影響を与える仕組みですが、イーサリアムには半減期はなく、EIP-1559やPoS移行による供給抑制が導入されています。このように、それぞれの特徴が大きく異なるため、用途や目的に応じて、使い分けができる通貨です。
まとめ
イーサリアムにはビットコインのような半減期はありませんが、供給量をコントロールする独自の仕組みを持っています。スマートコントラクトやDAppsなどの機能を備えたイーサリアムは、単なる仮想通貨以上の価値を提供します。投資としての安定性を重視するならビットコイン、多機能性や将来の技術的成長を期待するならイーサリアムが適しているでしょう。イーサリアムとビットコイン、それぞれの特徴を理解し、自分に合った仮想通貨の選択をすると、より投資が楽しめるかもしれません。
