近年、情報発信や広報の重要なツールとなっているSNS。その波は王室にも及び、ヨーロッパを中心とした多くの王室が、SNSを通じて日々の活動などを発信しています。イベントの裏側や王族の日常生活を垣間見ることができるSNSは、国民や世界中のファンとの距離を縮める大切な手段となっています。日本の皇室においても、近年になってSNSやインターネットを通じた情報発信が行われるようになりました。今回は、世界の王室SNSの取り組みと、日本皇室の情報発信の現状、そして秋篠宮家がSNSなどにあまり登場しない理由について詳しくご紹介します。
目次
世界の王室はSNSをどう活用している?
ここからは、世界の王室がSNSをどのように活用しているのかについてご紹介していきます。
英国王室
英国王室はSNS活用の先駆者的存在で、XやInstagramなどで積極的に情報を発信しています。国王チャールズ3世やウィリアム皇太子夫妻など、個々のメンバーにフォーカスした投稿も多く、公式行事の舞台裏や家族写真、祝賀メッセージなども掲載されています。
また、英王室は「ストーリーテリング」にも長けており、歴史的な資料や回顧的な投稿を通じて、王室の伝統や価値を伝える工夫も目立ちます。
スウェーデン王室
スウェーデン王室のSNSは、王女たちの育児や家族行事の写真をシェアするなど、比較的カジュアルな雰囲気です。皇太子ビクトリア王女やマデレーン王女の育児風景は多くの共感を呼び、王室への親近感を高める大きな要因となっています。
オランダ王室
オランダ王室もInstagramを活用し、国王ウィレム=アレクサンダー一家の写真や動画を公開しています。特に国民との交流やチャリティ活動の様子が多く、王室が“市民に近い存在”であるという姿勢が強く伝わってきます。
日本の皇室はSNSをやっているのか
結論から言えば、日本の皇室は2025年時点でSNSを運営していません。しかし、2024年4月からは宮内庁がInstagram上で天皇皇后両陛下や上皇ご夫妻の公務の様子、動画などを徐々に公開するようになりました。この動きは、コロナ禍で人との接触が制限されたことや、若い世代へのアプローチが課題となる中で、皇室の存在をより身近に感じてもらうための第一歩として評価されています。
なぜ秋篠宮家はSNSに出てこないのか?
皇室の中でも秋篠宮ご一家に関する公的な情報は、天皇皇后両陛下に比べて控えめであり、宮内庁の新たな情報発信においても、その登場は限られています。その理由はいくつか考えられます。
皇位継承順位とのバランス
秋篠宮さまは皇位継承順位1位(皇嗣)であり、将来的な天皇候補でもあります。その立場の重さゆえに、天皇陛下と並び立つ形でのメディア露出は慎重に扱われる傾向にあります。
過去の報道への対応
長女・眞子さんの結婚問題などで注目を集めた秋篠宮家は、一部の報道やネット上で批判的な論調も見られました。こうした背景から、過剰な露出が新たな誤解や炎上を招くことを避け、あえて抑制的にしている可能性があります。
宮内庁の運用方針
SNS発信の主体はあくまで「宮内庁」であり、天皇皇后両陛下の発信を最優先にしているのが現状です。他の皇族方の活動も紹介されることはありますが、全体として非常に控えめな運用が続いています。
最後に
本記事では、世界の王室SNSの取り組みと、日本皇室の情報発信の現状、そして秋篠宮家がSNSなどにあまり登場しない理由について詳しくご紹介していきました。世界の王室はSNSを駆使することで、格式ある存在でありながらも親しみやすいイメージを発信し、国民とのつながりを築いています。日本の皇室も、少しずつではありますが情報発信を始めています。皇室という伝統ある存在が、時代の流れに合わせて共にどのように歩んでいくのか、今後の展開に注目が集まります。